網野神社

網野神社修復工事 「平成の大改修」

網野神社本殿 平成20年5月14日撮影

 網野神社の主要な社殿は、近年の風水害等による傷みや老朽化が著しく神事の斎行が困難であるため、これらを修復し、網野の氏神信仰を子孫たちに残すべく、「平成の大改修」と銘打って平成19年12月より修復工事が始められました。

ここでは、この「平成の大改修」の様子を写真でご紹介したいと思います。

網野神社の社殿に足場が組まれていきます。(左 平成20年1月25日撮影)(右 平成20年2月7日撮影)

境内社である蠶織神社(こおりじんじゃ)には、一足早く工事用の足場が組まれました。
(左 平成19年12月12日撮影)(右 平成19年12月20日撮影)

蠶織神社の古い檜皮をめくった様子です。
長年の風雪に耐えており、下地の野地板は腐食がすすんでおりました。

 昭和38年にこの屋根を葺き替えて以来、45年ぶりの葺き替えとなりました。

 ちなみに昭和38年といいますと丹後地方では「昭和38年豪雪」という未曾有の大雪害があり、このときには網野地方に多大な被害がありました。
(平成19年12月20日 撮影)


蠶織神社に新しい野地板が取り付けられました。

写真ではわかりにくいかもしれませんが、普通の住宅の屋根と異なり、微妙な傾斜がつけられています。ここには熟練したお宮大工さんの技術がふんだんに使われています。

屋根は5月から新しい檜皮の葺かれるのを待っています。
(平成20年2月9日撮影)

いよいよ蠶織神社の屋根に檜皮が葺かれていきます。
 
檜皮葺(ひわだぶき)とは、檜(ひのき)の皮を用いた日本特有の屋根の葺き方であり、古来より神社や宮室に用いられます。屋根勾配や軒先を自由な形に造ることができ、色調も優雅なことから世界に誇るべき日本の伝統的な屋根の葺き方とされています。
 これは、平成20年5月31日に現場見学会を催した際の一コマです。この日はたくさんの地元の方に集まっていただき、卓越した職人さんによる伝統の檜皮葺の作業を見学させていただきました。
(平成20年5月31日 撮影)

網野神社の本殿です。

 こちらは本殿、拝殿、神饌所、渡り廊下、透塀でなっており、特に拝殿はこの地域では珍しく巨大なものとなっております。

 すべて屋根は檜皮で葺かれていたのですが、今度の改修でチタン葺に生まれ変わります。

 写真は、それまで葺いてあった檜皮を取り除いたところです。
(平成20年3月12日 撮影)




網野神社の本殿です。

 野地板が綺麗に取り付けられました。

 宮大工さんの伝統の技術で屋根に微妙な反りが出ています。

建物が巨大なため、なかなか一枚の写真に全体を収めることができません。
わかりにくくて申し訳ありません。

(平成20年6月6日 撮影)




上棟祭の模様

 建物の基本構造が完成したことを受けまして、平成20年6月22日に上棟祭を執り行いました。

 この日は久しぶりに覆いが開けられ、参列の皆さんは、その修復された社殿の美しい姿に目を奪われておりました。

(平成20年6月22日 撮影)





本殿の屋根には、いよいよチタンが葺かれ始めました。

 6月下旬に渡り廊下の屋根から作業が始まり、現在は神饌所の屋根を終えて、本殿の屋根の南側にかかっています。

 チタンという金属は頑丈な素材で、塩害や酸性雨にも強く100年以上保つといわれておりますが、それ故に硬く、神社の屋根のような微妙な曲線に合わせて加工するのも一苦労だそうです。職人さんは慎重に丁寧にチタン一枚一枚を屋根に取り付けておられます。
(平成20年8月5日 撮影)





参道も改修しております。

 今まで境内には排水の設備がありませんでした。そのため雨が降ると参道に大きな水溜りができて神社に参拝の皆さんに大変なご迷惑をおかけしておりました。

 「平成の大改修」では参道脇に排水路を設け、今後は水溜りができにくいようにしております。

また参道工事中は、この正面鳥居からの進入ができません。ご参拝の際は西参道より境内にお入りください。皆様にはご迷惑をおかけいたします。

(平成20年8月5日 撮影)


結婚式場(儀式殿)の屋根も修復しております。

昭和44年に新築された結婚式場もやはり傷んでおり、この機会に同時に修復することとなりました。

(平成20年9月9日 撮影)







蠶織神社の修復工事が無事に終わりました。

9月24日の午前10時に遷座奉告祭が執り行われました。

今年の初めから、網野神社と蠶織神社の御神霊は同じく境内社である早尾神社の仮遷座されていましたが、本日より蠶織神社の神殿に鎮座されました。

網野神社の御神霊は、本殿の修復が完成する来年春までこちらで鎮座していただきます。

綺麗に生まれ変わりました蠶織神社を、皆さまもどうぞお参りください。

お待ちしております。


(平成20年9月24日撮影) 

蠶織神社遷座奉告祭の様子

9月24日の午前10時より責任役員さん・総代さんのご参列の元、厳かに神事が執り行われました。

10月12日と13日には、この蠶織神社で86年ぶりに網野神社例祭が執り行われます。

(平成20年9月24日 撮影)

日が暮れても、作業は続きます。



素屋根の中では、職人さんが本殿と拝殿の屋根にチタン材を一枚一枚手作業で取り付けていく工程が続けられています。


(平成20年10月1日 撮影)


拝殿の蔀戸(しとみど)も修復されました。

真新しい杉板を格子の後ろに取り付け、蝶つがいもきれいになりました。


(平成20年11月21日 撮影)



本殿の屋根に千木(ちぎ)と鰹木(かつおぎ)が取り付けられました。

網野神社の本殿に棟の両端には千木が、中央から左右にかけては5つの鰹木が取り付けられました。


千木も鰹木も元々は建物の補強のための部材であったといわれており、現在では神社建築にのみ用いられております。神社建築の象徴とでもいうべき部分です。


(平成20年12月5日 撮影)




千木のアップです。

本殿の千木にもチタン材が巻かれております。

千木は古代、屋根を作るときに木材2本を交叉させて結びつけ、先端を切り揃えずにそのままにした名残りと見られています。


(平成20年12月5日 撮影)



第3回見学会の様子

12月6日には第3回の現場見学会がありました。
このときには、実際に職人さんにチタン材を屋根に葺く作業を実演していただきました。
硬くて丈夫なチタン材を曲面の多い神社の屋根に合わせてどのように工作していくのかというあたりを詳しく説明していただきました。


(平成20年12月6日 撮影)



本殿と拝殿に鬼瓦が取り付けられました。

今度の平成の大改修で取り付けられた鬼瓦は大きいもので約60センチあります。

かなり大きいものですから、迫力がありました。


(平成20年12月12日 撮影)



足場の撤去作業が始まりました。

完成を目前に控え、いよいよ足場の撤去作業が開始されました。
足場の屋根を取り除いたら、ご覧のとおり拝殿のお屋根が輝いております。

平成21年の初詣には、こちらにお参りしていただきます。

(平成20年12月17日 撮影)

 
足場もきれいに取り除かれ、その美しい姿が再び私達の目の前に現れました。

青空をバックに白銀のチタンで葺かれた屋根が輝きます。


(平成20年12月24日 撮影)

 

本殿も美しく修復できました。

もちろん本殿にもチタンは使われております。

傷んだ箇所や塗装も新たに施され、全体的に締まって見えることかと思います。


(平成20年12月27日 撮影)



本殿遷座奉告祭の様子

 網野神社の本殿の修復工事の完了をうけまして、早速、26日夜には御神体にお遷りいただく神事を執り行い、
翌日には、網野神社拝殿にて修復工事が無事に終了したことをご奉告する遷座奉告祭を執り行いました。

(平成20年12月27日 撮影)



平成21年3月29日 網野神社竣工奉告祭

 さる3月29日の午前9時より網野神社本殿において 竣工奉告祭を執り行いました。当日は天候にも恵まれ、網野神社修復実行委員会の委員様を始め、大勢のご来賓のご参列がありました。
 祭典中はお琴が奏でられるなか、巫女さん達による「浦安の舞」が奉納され、竣工祭という特別なお祭にふさわしい厳粛なものとなりました。
 引き続き記念式典となり、関係者のご挨拶や、修復工事関係者への感謝状の伝達などが行われ、さらに網野神楽保存会による御神楽も奉納されるなど賑やかな社頭となりました。


(平成21年3月29日 撮影